カスタマーハラスメント(カスハラ)対策として、企業に方針の明示や相談体制の整備を求める措置義務が2026年10月1日に施行されます。いつ何が変わるのか、就業規則にどう書くのか、何を整えるのかを、引用しやすい形でまとめました。
更新日:2026-07-23
カスタマーハラスメント対策の措置義務は、改正された労働施策総合推進法にもとづき、2026年10月1日に施行されます(施行期日を定める令和8年政令第17号で確定)。大企業・中小企業を問わず、すべての事業主が対象になります。
同じ法律のパワーハラスメント防止措置義務は、大企業で2020年6月、中小企業で2022年4月に施行されました。カスハラの措置義務は、この枠組みに新たに加わる位置づけです。施行の3か月前にあたる2026年7月時点では、方針づくりと相談体制の整備を先行して進めておくと、施行日に慌てずに済みます。
義務化されるのは、特定の書類を1枚そろえることではありません。方針の明示、相談体制、行為があったときの対応手順、被害を受けた従業員への配慮という一連の整備が求められます。
就業規則にカスハラ対応を織り込むときの、一般的な規定例です。自社の既存の条文構成や用語に合わせて調整してください(下記はそのまま使うことを保証する内容ではなく、検討の出発点です)。
第◯条(顧客等からの著しい迷惑行為の防止) 会社は、顧客その他の外部の者からの暴言、暴力、不当な要求その他の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)から従業員を保護するため、必要な体制を整備し、被害の防止と発生時の適切な対応に努める。
第◯条(相談体制) 前条の迷惑行為に関する相談に応じるため、会社は相談窓口を設け、従業員に周知する。相談したこと又は事実関係の確認に協力したことを理由として、当該従業員に不利益な取扱いをしてはならない。
第◯条(発生時の対応) 著しい迷惑行為が確認されたときは、会社は従業員の安全に配慮し、事実関係を確認のうえ、対応の記録、関係者への周知、必要な場合の外部機関への連絡など、状況に応じた措置を講じる。
既存の就業規則のどの条文の後に入れるか、別規程(カスタマーハラスメント対応規程)に分けるかは、会社の規程構成によって変わります。番頭は登録した自社の就業規則を前提に、どこにどう追加するかの整理を手伝います。
施行に向けて、自社の現状に当てはめて抜けを確認するためのチェック項目です。
・カスハラに対する会社の方針を文書で明示しているか(就業規則・社内通知など)
・従業員向けの相談窓口を決め、周知しているか(担当・連絡方法・記録の残し方)
・迷惑行為があったときの対応手順を決めているか(一次対応・記録・引き継ぎ・外部連絡の判断)
・被害を受けた従業員への配慮(安全確保・メンタル面のフォロー)を用意しているか
・現場の担当者が方針と手順を理解しているか(周知・簡単な研修)
どの項目が自社にあって、どこが手付かずかを把握してから着手すると、抜けや重複を避けられます。
サンプルの会社情報を覚えた状態での、回答のイメージです。数値や規程の内容は説明用の例です。 番頭の答えは一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。
当社の就業規則にカスハラ対応を追加したい。どの条文の後に入れるべきか
登録済みの就業規則では、服務規律の章にハラスメント禁止の条文があります。その直後に「顧客等からの著しい迷惑行為の防止」の条文を追加し、相談体制は既存の相談窓口の条文に一文を足す形が、構成を崩さず整理できます。最終的な文言は専門家の確認を踏まえて仕上げてください。
2026年10月の施行までに、まず何から着手すればよいか
登録済みの現状では、電話対応マニュアルはありますが、会社としての方針文書と相談窓口の定めがまだありません。まず方針の明文化、次に窓口の決定という順番で進めると、対応手順や従業員の保護もそこにぶら下がる形で整います。
カスタマーハラスメント対策の措置義務は、改正労働施策総合推進法にもとづき2026年10月1日に施行されます。施行期日は令和8年政令第17号で確定しています。大企業・中小企業を問わず、すべての事業主が対象になります。
対象になります。パワハラ防止措置義務は中小企業で2022年4月から適用されており、カスハラの措置義務も同じ枠組みで、事業規模を問わず求められます。
方針(顧客等からの著しい迷惑行為の防止)、相談体制、発生時の対応の3点を条文として織り込むのが一般的です。本文の規定例はそのまま使うことを保証する内容ではなく、自社の条文構成に合わせて調整する出発点としてご利用ください。
番頭が示すのは一般的な情報と、自社の現状を踏まえた論点整理です。対応の十分性を断定する保証ではありません。最終的な判断は専門家にご確認ください。
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